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第57回:問い続ける人だけが、本質に近づく

目次

物事に、絶対的な正解はありません。もちろん、事実は一つかもしれません。けれど、その事実をどう受け止め、どう意味づけるかは、人によって異なります。

同じ出来事を前にしても、ある人は前向きに捉え、ある人は苦しみとして受け止める。ある人にとっては正しい判断だったことが、別の人にとってはそうではないこともあります。つまり、真実は人の数だけあるのだと思います。

そして厄介なのは、自分が「これが正解だ」と信じていたことが、経験を重ねるうちに揺らいでくることです。以前は正しいと思っていたことが、今の自分から見ると違って見える。逆に、かつて理解できなかった考え方が、今になってようやく腹落ちすることもあります。

それは決して悪いことではありません。むしろ、人が経験を重ね、世界の見え方が変わっていく以上、答えが変わるのは自然なことです。だからこそ、私は「正解を持つこと」そのものよりも、問い続けることのほうが大切なのではないかと感じています。

・相手は今、どんな気持ちでこの言葉を発しているのか。

・その表現の裏側に、何か言葉にならない思いが隠れていないか。

・自分は狭い経験だけで相手を判断していないか。

・過去の印象で、今のその人を決めつけていないか。

そうした問いを、自分自身に投げかけ続けること。それが、人としての在り方を磨き、結果として本質に近づくための最短ルートなのかもしれません。

経営においては、もちろん現実的な戦略も必要です。数字も、判断も、スピードも欠かせません。けれど、それらの土台にあるべきものは、「人としてどうあるか」という問いではないでしょうか。

本稿では、「問い続ける人だけが、本質に近づく」という視点から、変わり続ける時代の中で、私たちが何を大切にし、どう人と向き合っていくべきかを考えていきます。

 

【目次】

1.正解は固定されたものではない

2.経験は、見える世界を変えていく

3.問いは、自分の思い込みを壊してくれる

4.「人としてどうあるか」を問い続ける

5.問い続ける人は、変わり続けることができる

6.共創ソリューションズとしての価値

 

1.正解は固定されたものではない

私たちはつい、「正解」を求めてしまいます

経営でも、人間関係でも、日々の判断でも、何か一つの正しい答えがあるように思いたくなる。そして、その答えを早く見つけたいと思ってしまいます。しかし現実には、物事に絶対的な正解はありません。もちろん、事実は一つかもしれません。けれど、その事実をどう受け止め、どう意味づけるかは、人によって異なります

同じ出来事を前にしても、ある人はそこに可能性を見るかもしれませんし、別の人は痛みを感じるかもしれません。ある人にとって正しい判断だったことが、別の人にとっては納得できないこともあります。つまり、真実は人の数だけあるのだと思います。

だからこそ、「今の自分が正しいと思っていること」が、いつまでも正しいとは限らない。その前提に立つことが、とても大切なのではないでしょうか。

 

2.経験は、見える世界を変えていく

以前の自分なら迷わず「これが正しい」と言っていたことが、今の自分にはそう思えない。そんな経験はないでしょうか。

若い頃には理解できなかったことが、年齢を重ねてようやく分かるようになる。逆に、昔は強く信じていた価値観が、今では少し窮屈に感じることもあります。それは、経験によって見える世界が変わっていくからです。

人と出会い、失敗し、悩み、迷い、時に遠回りをする。その積み重ねが、ものの見方を少しずつ変えていきます。そう考えると、今自分が持っている答えも、決して完成形ではありません。これからの経験によって、また変わっていく可能性があります。

だからこそ、人は学び続ける必要があるし、問い続ける必要があるのだと思います。答えを持つことよりも、答えが変わり得ることを受け入れるほうが、よほど大切なのかもしれません。

 

3.問いは、自分の思い込みを壊してくれる

問い続けることの価値は、自分の思い込みに気づけることにあります。

人はどうしても、自分の経験や価値観を基準に物事を判断します。それ自体は自然なことですが、その基準が狭いままだと、相手を正しく見ることが難しくなります。

たとえば、

・相手の言葉を表面だけで受け取っていないか。

・過去の印象だけで、その人を決めつけていないか。

・自分の狭い経験だけで、「きっとこうだろう」と判断していないか。

そうした問いを自分に向けることで、初めて見えてくるものがあります。問いは、自分を責めるためのものではありません。自分の視野を広げるためのものです。

・本当にそうだろうか

・別の見方はないだろうか

・相手の背景には何があるのだろうか

そう問い続けることで、私たちは少しずつ固定観念から自由になっていけるのだと思います。

 

4.「人としてどうあるか」を問い続ける

経営においては、数字や戦略、スピード感が大切です。それは間違いありません。

けれど、その前に問うべきことがあるように思います。それは、「人としてどうあるか」という問いです。

・もっと寄り添えることはないか。

・相手は今、どんな気持ちでこの言葉を発しているのか。

・言葉の裏側に、言い切れない思いや葛藤が隠れていないか。

・自分の言葉は、相手を傷つけていないか。

こうした問いは、経営の効率を直接上げるものではないかもしれません。けれど、人と関わり、人と共に仕事をする以上、決して軽視してはいけないものです。

・戦略の前に、人としての在り方を問う。

・成果の前に、相手へのまなざしを整える。

その積み重ねが、結果として本質に近づく道になるのではないでしょうか。

 

5.問い続ける人は、変わり続けることができる

問い続ける人は、自分を固定しません。

・自分はこういう人間だから

・昔からこうやってきたから

・前にうまくいったから今回もこれでいい

そうやって過去の成功や、自分の思い込みにしがみつくのではなく、常に今の自分を見直し続けることができます。それは、とても勇気のいることです。

自分の正しさを疑うことは、時に苦しいものです。けれど、その苦しさを引き受けられる人だけが、変わり続けることができるのだと思います。

経営も人生も、昨日と同じ景色が続くわけではありません。だからこそ、答えを持つことよりも、問いを持ち続けることのほうが大切です。問い続けることは、成長を止めないための姿勢であり、自分自身を更新し続けるための習慣でもあるのです。

 

6.共創ソリューションズとしての価値

私たち共創ソリューションズは、「正解を教える存在」でありたいとは思っていません。もちろん、経験に基づく提案や助言は行います。しかし、それ以上に大切にしたいのは、「本当に考えるべき問いは何か」を一緒に整理することです。

・今の課題は何か。

・その判断は誰のためのものか。

・もっと寄り添える余地はないか。

・目の前の問題の奥に、本当に向き合うべきものが隠れていないか。

そうした問いを共に持ちながら、経営や事業、人との関係性を見つめ直していく。軍師の役割とは、戦略を示すことだけではありません。本質を見失わないための問いを持ち続けること、そしてその問いに向き合う伴走者であることだと考えています。

答えが変わる時代だからこそ、問い続ける力が必要です。そして、その問いの中心には、いつも「人としてどうあるか」があるべきだと、私たちは考えています。

 

私たちはつい、正解を求めてしまいます。

・間違えたくない。

・失敗したくない。

・できるだけ早く、できるだけ正しい答えを見つけたい。

それは自然なことですし、経営の現場ではスピードや判断力が求められる場面も少なくありません。けれど、本当に大切なことほど、簡単に答えは出ません。

人の気持ちも、組織の課題も、これから進むべき道も、すべてが一つの正解に収まるわけではないからです。だからこそ必要なのは、「正解を持つこと」ではなく、「問い続けること」なのだと思います。

・自分は相手を決めつけていないか。

・過去の印象だけで判断していないか。

・もっと寄り添えることはないか。

・本当に見るべきものを見落としていないか。

そうした問いを、自分自身に投げかけ続ける。その積み重ねが、自分の視野を広げ、思い込みをほぐし、人としての器を少しずつ深くしていくのではないでしょうか。

正解は、これからも変わっていくかもしれません。今の自分が正しいと思っていることも、いつか別の景色の中で揺らぐかもしれません。けれど、それでいいのだと思います。

大切なのは、変わることを恐れないこと。そして、答えが変わるたびに、自分自身の在り方も見つめ直していくことです。経営においても、人生においても、最後に問われるのは「どんな答えを持っているか」より、「どう問い続けてきたか」なのかもしれません

共創ソリューションズは、これからも皆さまと共に、答えを急ぐのではなく、本当に大切な問いを見つけ、その問いに向き合い続ける伴走者でありたいと考えています。

・人としてどうあるか。

・相手とどう向き合うか。

・何を大切にして判断するか。

その問いを持ち続けることが、きっと本質に近づく最短の道になるはずです。