「人は、自分を認め、応援してくれる人に心を開く」
これは家庭でも、職場でも、どこでも変わらない普遍的な心理です。
しかし、会社という組織において、上司と部下の関係性が“個人的な好み”で形成されてしまうと、信念を持って行動する人が疎まれ、排除されるという歪な構造が生まれてしまいます。
自分の意見を持ち、組織の未来や社会のために行動できる人材が、保守的な空気の中で「浮いた存在」となるのは、組織にとって大きな損失です。
多様な価値観を受け入れ、耳の痛い言葉にも向き合う“器の広さ”こそ、これからの上司やリーダーに求められる資質ではないでしょうか。
本記事では、そんな上司のあり方を見つめ直し、共創ソリューションズとしてどのように支援できるかを探っていきます。
1.「気に入られる部下」と「信念を貫く部下」
― 上司の“好き嫌い”が組織をゆがめるとき ―
職場では往々にして、上司に「好かれる部下」が高く評価されがちです。素直で指示に従い、余計なことを言わない、そんな“扱いやすい”部下のほうが安心して仕事を任せられるという声も多いでしょう。
一方で、「会社のために」と自ら考えて行動する信念ある社員が、上司の意に沿わないという理由で低評価を受けたり、場合によっては組織内で浮いた存在になることもあります。こうした構造が続くと、現場での健全な提案や改善意識が削がれ、組織はやがて「上の顔色を伺う人」ばかりになる危険性を孕んでいます。
このような風潮の背景にあるのは、上司自身の“器の大きさ”であり、意見の違いや不満をどう受け止めるかという姿勢です。個々の価値観が多様化している今、組織は上司の価値観ひとつで方向性を誤るリスクを抱えているのです。
2.自律する人材は「異端者」なのか?
― 耳が痛い言葉の中にこそ、成長のヒントがある ―
組織にとって本当に必要な人材とは、決して“従順な人”だけではありません。自分の意見を持ち、行動できる「自律型人材」こそが、変化に強く、周囲にも好影響を与える存在です。
しかし、こうした人材はときに「空気を読まない」「扱いづらい」と誤解されます。自分の信念に従って動く姿は、保守的な組織文化の中では“異端”として見られることも少なくありません。
重要なのは、上司自身が「耳が痛い」と感じる言葉をあえて受け止める懐の深さです。部下からの率直な提案や意見を“攻撃”と捉えるのではなく、“気づき”として受け止められるかどうかが、組織の成熟度を大きく左右します。
3.「受容」と「寄り添い」で信頼は築ける
― 心を開く対話と、感情の共有が組織を変える ―
対話の本質は「理解し合うこと」です。意見が違う相手であっても、否定から入るのではなく、まずは「そう考える背景」を知ること。それが“受容”であり、“寄り添い”の第一歩です。
「君の気持ちはわかるよ」という一言が、部下にとってどれほどの安心感と信頼につながるか。立場の違いを越えて心を通わせる関係こそが、強いチームをつくる土台になります。
また、上司自身も「完璧でなければならない」と思い込まず、ときには自分の弱さや迷いを共有することで、部下との距離がぐっと近づくものです。人としての信頼が育まれたとき、職場の空気は確実に変わります。
4.共創型リーダーが組織の未来を創る
― 共創ソリューションズが描く「新しい上司像」 ―
これからの時代に求められるのは、“指示するリーダー”ではなく、“共に考え、共に創るリーダー”です。部下を評価しコントロールするのではなく、その人の強みや信念を活かし、対等な関係性で成果を生み出す力が問われています。
共創ソリューションズでは、上司・リーダー層に向けた「対話力」「受容力」「感情マネジメント力」の向上を支援しています。特に、実践的なワークショップや1on1コーチングを通じて、関係性の再構築とチームの信頼醸成に注力しています。
自律した人材が生き生きと働ける環境をつくるには、まずリーダーが変わること。私たちは、その“最初の一歩”を全力でサポートいたします。